乳呑み坂(峠)
伝説によれば、昔、寒田の谷から一人の女が赤ん坊を背負って求菩提山に登りました。乳を欲しがってむずかる子を背に、母親は、「よしよし、もう少しの辛抱ぞ、この坂を登ってしもうたら乳をやるけの」とあやしながら登っていきましたが、いつしか子の泣き声もやんでしまいました。やがて峠に着いて、背中の子をおろして乳を呑ませようとすると、赤ん坊はすでに空腹のために息絶えていたというのです。以後、ここを乳呑み坂とよぶようになったと伝えられます。
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